パートナーにも検査を勧めるべき?
自分がGHに感染している場合、パートナーにも検査を受けてもらったほうがいいでしょうか?
お二人でGH(性器ヘルペス)に適切に対処していくためには、パートナーにも検査を受けてもらったほうがよいでしょう。ただし、GHは症状が出ていないときには正確に診断するのが難しい疾患です。血液中に型特異的な抗体があるかどうか調べることにより、症状がないときにも再発のGHの主な原因ウイルスである単純ヘルペスウイルス2型に感染しているかどうか知ることが可能ですが、この検査には健康保険が適用されず、検査費用が別途かかります。パートナーとよく話し合った上で、医師に相談されてはいかがでしょう。
回答者:早乙女智子先生(神奈川県立汐見台病院 産科 副科長)
妊娠を希望中は薬を飲めない?
妊娠を希望しているときはGHの薬を飲まないほうがいいですか?また、薬を飲んだら避妊することが必要でしょうか?
すでに再発している状態であれば、できるだけ早く病医院に行き、医師の診断を受けてください。治療開始が早ければ治癒も早くなります。再発中は病変部などにヘルペスウイルスが存在しており、パートナーへのGH(性器ヘルペス)感染のリスクが高くなりますので、パートナーへの感染を避けるためにも症状が出ている間の性行為は避けてください。
2006年、再発を繰り返しているGH患者さんを対象とした再発抑制療法(注1)が、日本でも承認されて実施できるようになりました。ただ、毎日お薬を服用する治療法ですから、一般的に、現在妊娠を希望している方には実施しません。妊娠している方への投与経験が少なく、安全性が確立していないためです。ただし、妊婦への投与が禁忌(投与してはいけない)とされているお薬ではないので、再発の状況やお薬の効果・リスク、妊娠のご希望の強さなどを総合的に勘案して、再発抑制療法の実施を考慮する場合もあります。一般的にはGHの再発頻度は感染後の年数とともに下がると言われていますし、少し症状が落ち着いてきてから妊娠を考えるなどの対応をとることも可能です。今のGH再発の状況をどのようにコントロールし、妊娠していくか、担当の医師に妊娠の希望とご自身の状況を説明の上、よく相談してください。
(注1)再発抑制療法:再発を繰り返しているGH患者さんを対象として、毎日お薬を継続して服用することで再発を抑制する治療法です。再発抑制療法を実施している間は、GH患者さんの再発を抑制するだけでなく、パートナーへの感染リスクを低くする効果も認められています。ただし、パートナーへの感染のリスクがゼロになるわけではないため、再発抑制療法を実施している間もコンドームの使用が推奨されています。
詳しくは「GH再発抑制療法」サイト内の「服薬でウイルスを抑える再発抑制療法」をご覧ください。
回答者:早乙女智子先生(神奈川県立汐見台病院 産科 副科長)
ヘルペスウイルスの型は検査で特定できる?
通っている病院では、ヘルペスウイルスの型が特定できないといわれました。単純ヘルペスウイルス1型、2型のどちらに感染しているかは検査で調べることができるのでしょうか?
血液中に型特異的な抗体があるかどうかを調べることにより、感染しているウイルスの型を正確に知ることができます。しかしこの検査は健康保険が適用されていないため、費用が1万円程度かかります。なお、水ぶくれなどの症状があるときには、患部からウイルスの成分を検出してウイルスの型を調べる検査法があり、こちらは保険適用となっていますが、感度が十分ではなく、ウイルスの型を判断できないことがあります。
回答者:本田まりこ先生(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 皮膚科 教授 )
薬の耐性ウイルスが心配です。
再発のたびに抗ヘルペスウイルス薬を飲んでいると、耐性ウイルスが出てこないか心配です。
現在国内で一般的に使用されている抗ヘルペスウイルス薬(=抗ヘルペスウイルス剤)については、耐性ウイルスはほとんど確認されていません。また、通常、免疫機能が正常である限り、耐性ウイルスによる病変も通常のウイルスによる病変と同様に治癒します。そのため、耐性ウイルスはほとんど問題にならないと考えられます。
回答者:本田まりこ先生(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 皮膚科 教授 )
以前のパートナーがGHと知り不安です。
以前のパートナーがGHであることを知り、自分も2型のヘルペスに感染していないか不安です。症状がなくても調べることはできますか?もし受診するなら何科に行けばいいでしょうか?
血液中に型特異的な抗体があるかどうかを調べることにより、単純ヘルペスウイルス2型に感染しているかどうかを知ることが可能です。ただし、この検査は健康保険が適用されないため、検査費用が1万円程度かかります。ウイルスの成分を検出してウイルスの型を調べる検査法もありますが、この検査法は症状がない場合には行うことができません。
血液検査を受けたい場合には、産婦人科、皮膚科、泌尿器科などで、いずれも感染症に詳しい医師のいる病医院を受診し、相談してみてください。
回答者:本田まりこ先生(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 皮膚科 教授 )
妊娠の可能性がある時に再発しました。
GHを再発したのですが、妊娠の可能性がある場合、飲み薬や塗り薬を使用しないほうがいいですか?心配で、病院にもまだ行かないで我慢しています。
一般的には、妊娠している方への抗ヘルペスウイルス薬(=抗ヘルペスウイルス剤)の投与は行いません。これは、妊娠している方への使用経験が少ないからです。しかし、症状などを総合的に判断してお薬が使われる場合もあります。できるだけ早く病医院に行き、妊娠の検査も含めて診断を受け、適切な治療を受けたほうがよいでしょう。担当の医師には必ず妊娠の可能性を伝えてください。
回答者:早乙女智子先生(神奈川県立汐見台病院 産科 副科長)
薬を飲んでも症状が消えません。
指示された期間、お薬を飲み続けましたが症状や違和感が消えません。違う病院にかかるべきでしょうか?
水ぶくれや痛み、かゆみなどの症状が全く改善されないのであれば、まずは同じ医師に相談してみてください。特に初発の場合は激しい症状が出やすく、症状をみながら少し長めにお薬を服用していただく場合もあります。それでも症状が治まらない場合には、似た症状の違う疾患の可能性もあるかもしれません。もしも症状を診ただけでGH(性器ヘルペス)と診断されたのであれば、GHを確認する検査について、医師に相談されてはいかがでしょうか。
回答者:本田まりこ先生(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 皮膚科 教授 )
抗ヘルペスウイルス薬の副作用が心配です。
GHの治療で抗ヘルペスウイルス薬を使用していますが副作用が心配です。
抗ヘルペスウイルス薬(=抗ヘルペスウイルス剤)は、ヘルペスウイルスに感染した細胞に対してのみ選択的に作用し、感染していない細胞には作用しないため、一般的に副作用は少ないといわれています。 飲み薬の場合、ムカムカする、吐き気がするという胃腸症状がみられるときがありますが、多くの場合、胃薬を服用すれば解決します。また、頭痛が起こる場合もあります。 肝障害や腎障害が起こることは少ないのですが、お年寄りの場合は腎臓の機能が低下していることも多く、薬の血中濃度が上がり副作用が出やすくなるので注意が必要です。
回答者:本田まりこ先生(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 皮膚科 教授 )
飲み薬と塗り薬の違いは?
GHの治療薬についてお尋ねします。飲み薬と塗り薬で違いはありますか?
GH(性器ヘルペス)の治療には、ヘルペスウイルスが増えるのを抑える抗ヘルペスウイルス薬(=抗ヘルペスウイルス剤)が使われますが、抗ヘルペスウイルス薬には、注射薬(点滴)、飲み薬(錠剤または顆粒)、塗り薬(軟膏またはクリーム)があります。
注射薬や飲み薬は患部はもちろんのこと、身体の中で増殖するウイルスにも作用します。一方、塗り薬は塗った場所でのみ作用します。GHを起こす単純ヘルペスウイルスは、身体の中に潜んでいたものが身体の表面に出てきて病変をつくるといわれています。 ですから、飲み薬を内服して患部局所のみならず、身体の中のウイルスも抑える方がよいでしょう。塗り薬は軽い口唇ヘルペスの場合や、飲み薬との併用で用いるのがよいでしょう。
回答者:本田まりこ先生(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 皮膚科 教授 )
診察時にどういう検査を受けますか?
GH(性器ヘルペス)の診察は、視診(内診)と検査を行います。 検査としては、局所部分の水疱または潰瘍化している病変からウイルスそのもの(抗原)を採取して調べるものと、採血して抗体検査を行うことにより抗体価を調べるものがあります。 抗体検査は、そのときに初感染したものか、もともと感染していたものかを判別します。
最近は以前と比べたら少なくなってきたようですが、それでも産婦人科を受診することの抵抗感はやはり大きいようですね。 患者さん自身が、産婦人科は恥ずかしいところ、しかもこんな病気にかかって・・・と思いこんでいるのではないかと思います。 GHはありふれた病気ですし、視診も検査も簡単に終わります。堂々と、「すっきり治して帰るぞ!」くらいの気持で受診してほしいですね。
また、産婦人科を受診した際、子宮頸癌の検診などを勧められることもあると思いますが、年に1回程度がん検診を受けておくことは大人の女性の自己管理に必須です。 必ずしも初診時に受けなくても構いませんが、自分は大丈夫という過信は禁物ですからチャンスを見て検診を受けましょう。
回答者:早乙女智子先生(神奈川県立汐見台病院 産科 副科長)
再発時の症状は? 回数を減らすには?
再発の症状はどのようなもので、回数を減らすためにはどのようなことができるでしょうか?
再発では、数時間前より、局部のかゆみ、違和感や痛みが認められます。精神的ストレス、性交、生理、発熱、疲労などの誘因後2~3日間で、限局した部位に赤く腫れた紅斑がみられ、次いで水疱、びらんが生じ、2~14日で治ります。またGH(性器ヘルペス)に初感染後、おしりに再発として発症することがあります。再発させないためには、精神的ストレスなど再発を引き起こす原因に気をつけることが大切です。また何回も再発を繰り返す患者さんでは、バラシクロビル1回500mgを1日1回、継続的に服用していく再発抑制療法という治療法もあります(この場合、1年間継続し、その後休薬期間を設けて患者さんの経過を評価する必要があります)。
詳しくは「GH再発抑制療法」サイト内の「服薬でウイルスを抑える再発抑制療法」をご覧ください。
回答者:本田まりこ先生(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 皮膚科 教授 )
再発抑制療法とは、どんな治療法?
再発抑制療法が承認されたと聞きましたが、どのような治療法なのでしょうか?
再発抑制療法は、症状が出たときに飲むお薬(抗ヘルペスウイルス薬)を毎日少量飲むことによって、再発をしにくくする治療法です。おおむね年に6回以上再発するGH(性器ヘルペス)の患者さんが対象となります。この治療法を行っていても再発を完全になくすことはできませんが、再発回数を減らすことが期待できます。またこの治療法を行っていると、パートナーへの感染のリスクが少なくなるという報告もあります。
ただし、いくつか気をつけなければいけないこともあります。この治療法を行っていても、再発することもありますし、パートナーへの感染のリスクもゼロになるわけではありません。体の中に潜伏しているウイルスを完全に排除することはできませんので、服薬を中止すれば再発しますが、その回数は時間とともに減少します。
副作用については、長期間お薬を飲むことによって出やすくなる副作用は特にありませんが、主な副作用として頭痛、吐き気、下痢、腹痛などが報告されています。
詳しくは「GH再発抑制療法」サイト内の「服薬でウイルスを抑える再発抑制療法」をご覧ください。
回答者:本田まりこ先生(東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 皮膚科 教授 )
GH再発前兆時でもきちんと診断してもらうには?
性器ヘルペスに感染していますが、再発頻度が激しく、生理の度に再発の前兆の様な症状があります。病院に行くと水疱が出ていないので「ヘルペス」とは判断されず、検査をしてからでないと薬がもらえません。なにか良い方法はないでしょうか?
症状が軽い場合でも、再発する予感がしたら、あるいは症状が出たらできるだけ早い時期に治療を始める方が症状が軽くすみます。あなたの場合、再発を繰り返しているわけですから、医師にその状態を訴え、再発のきざしがあったらすぐ受診し、いままでの経緯を話してみましょう。それでも状況が変わらないのなら、他の専門医を受診してはどうでしょうか。
回答者:早乙女智子先生(神奈川県立汐見台病院 産科 副科長)





